第33期DTPエキスパート認証試験の課題提出期限が、4月6日13:00でした。
受験者の皆さんのサポートに追われ、課題締切日を終えるまで、ブログへは何も書き込めないまま、課題提出締切を迎えてしまいました。
さて、今回は、今後受験する方へ試験対策情報として、今回の課題制作試験の傾向と対策をまとめておきたいと思います。
これまで「課題制作の手引き」における注意事項や支給データのチェック事項などをご紹介してきましたが、今回は、総括として、第33期課題制作試験のフォローを経験してみて、思ったことを少し書きとめておきたいと思います。なお、下記は、課題B「チラシ」における内容です。
0.データチェック漏れ
毎回のことなのですが、自分でデータチェックした際に気付かなかったことがフォロー時になって、いろいろと出てくるのです。今回も例外ではなく、次の2点について当初気付きませんでした。
・誤字<表外注記>の「営業時簡」→「営業時間」
・<グルメ情報地図>友好広場上の●マークの彩色(緑地の色指定のところをマークと勘違いしておりました)
1.作品制作のコツ
【効率よく制作するために】
手順を簡単にご紹介しておきます。
(1)ラフデザイン(手書き)
(2)マシン上で配置エリアを確保
(3)配置エリアに入れる各種素材のサイズで無理がないかを確認(最大項目数で、最小文字サイズを限定してみる:9Q/7ptくらいのイメージ)
(4)無理があるようならば、配置エリアの微調整
(5)レイアウト確定
(6)全素材の加工・修正
(7)配置・彩色
前回(第32期)からだったと思うのですが、「課題制作の手引き」の巻末に最大項目数の文字情報が掲載されるようになりました。この提示がミソで、文字サイズを最低サイズを想定して箱組みや表組みにしてみるチャンスを与えてくれているのではないかと、私は勝手に考えております。
レイアウトができたら、このチャンスを生かして、最大項目数での検証をすべきなのではないかと思います。それが、制作指示書における〈原稿量の増減への対応〉や〈紙面設計〉に生かされていることが、課題試験提出物において必須と考えています。
【期限を考える】
3週間という制作期間の中で、作品制作と制作指示書制作における作業時間の割り振りは、大切です。作品と制作指示書にかける割合として、これまでの経験から3:7くらいと考えています。作品制作3割とすると、約1週間。残りの2週間で制作指示書を作るイメージです。
始めてこのような作品や指示書の制作に取り組む方の場合、指示書にかかる時間は膨大になります。この点を考慮して、作品の手離れを良くすることも課題試験をクリアするためのコツだと考えます。
どうしても作品に凝って、自分なりのデザインをぎりぎりまで検討する傾向があるのですが、この試験のテーマは、「課題制作の手引き」にも記載されているように、「デザインセンスだけでなく、DTP制作を指導、管理するにふさわしい能力」なのです。提出物のうち、作品におけるデザインセンスが抜群であっても、指示書の記載内容に漏れがあったり、製版/印刷への配慮が足りないと大幅に減点されてしまいます。
そうした観点から、作品を締切ぎりぎりまで作り込むのは、無謀なことのように感じています。
2.「制作指示書」で問い合わせの多い箇所
【制作の意図】
「何を書けばいいんですか?」という質問に対して
「自分の作品をクライアントにアピールしてください。」「この作品の特徴は何ですか?」「クライアントメリットはどのような点ですか?」「旅行代理店の店頭でラックに入ったことをイメージして、どのような人に手に取ってもらいたいですか(ターゲットユーザは)?」「シリーズを通して、レイアウト・配色は同じですか?~シリーズ共通にする利点は何ですか?」「旅行代理店の店頭でシリーズ共通なんだなぁと感じるのは、どのような部分ですか?」等々、私が担当する講義の受講生の方々とお話しながら、自分の作品の特徴やアピールしたいことを探して、言葉にしていただいています。
【標準化と効率化】
「〈標準化と効率化〉っていったい何を意味しているんですか?」という質問に対していつも言うこと...。
この指示書は、支給データを制作するためだけのものではありません。シリーズデータとして今後支給されるデータについて、提出する作品と同じ品質で、さらに作業効率もアップできるような仕組みを考える必要があります。
制作担当者の誰が作っても同じ品質に仕上げたいと思ったとき、指示書内に誰が見ても間違えないような明確な指示があることはもちろんですが、ソフトウェアが持つ各種機能を利用すると、もっと楽ちんに作業できることもありますよね。
今使っているソフトの便利な機能をピックアップしてみましょう。...という具合で回答してから、それぞれのツールの便利な機能をご紹介していきます。
たとえば、Adobe製品には、自動化するための機能として、アクション・バッチ処理・スクリプトがあります。また、色指定におけるスウォッチ、マーク登録におけるシンボル、アピアランスや効果を割り当てるグラフィックスタイルやオブジェクトスタイル、文字書式内容を登録できる段落スタイルや文字スタイル、表組設定を登録できる表スタイルやセルスタイル、パーツを登録できるライブラリやスニペット、プリント・透明分割設定・PDF書き出し・プリフライト時の設定を登録できるプリセット、レイアウトのベースを保存できるテンプレートやマスターページなど、ソフトごとに用意されている各種機能を実際に試してみます。さらに、どのように運用すればいいのかについて、設定登録やファイルを用意して、試した結果、自分の作品において活用できる手法を選択して、指示書への記述に生かしていただきます。
【原稿量の増減への対応】
この点も、どの程度まで書けばいいのかということをはじめとして、「何を書けばいいんですか?」という質問が多いです。
前述の作品制作のコツにあるように、作品制作の段階で最大項目数を考慮した設計をしているのならば、最大数のとき、最小数のとき、標準的な項目数のときをそれぞれ想定して、どの部分を調整すれば、最大項目数・最小項目数の文字情報をバランスよく配置できるのか、各自の作品ごとに一緒に考えています。その際の調整幅や調整時のルールも一緒に考えて明記していきます。
さらに、提示されている〈おすすめポイント〉と〈グルメ情報〉の変動範囲以外にも、シリーズデータだった場合、変動が予想されるところはないかを一緒に考えます。たとえば、都市名は何文字~何文字が想定できるのか、毎回支給されるデータは縦長の写真をアイキャッチとして指定されることが原則なのか、見出し類の有無や文字長の変動はないのか...等々、支給データとは異なる場合を想像して、その時どうする?という問いかけをしてみます。その時の自分の作品ならば、こうするということを明記することをお勧めしています。
【制作手順】
この点も、どの程度まで書けばいいのかということをはじめとして、「何を書けばいいんですか?」という質問が多いです。
受講者それぞれのポジションによって、回答が違うのですが、デザイン・印刷会社にお勤めの方の場合、自社環境で、クライアントからの発注があった場合、社内の部門・登場人物を、具体的に一緒に考えます。作業内容についても同様に考えていきます。その上で、箇条書きにしたり、一覧表にして、提示されている納期内でスケジュールを考えていきます。
デザイン・印刷業以外の方の場合、一般的なワークフローを説明した上で、「自分の会社でこの印刷物を受注した場合」と想定していただき、「デザイン会社に所属」ならば...「印刷会社に所属」ならば...というように仮定して、スケジュールを描きます。
前回(第32期)からだったと思うのですが、この項に「画像処理ワークフロー」を明記するようにとの課題がでていました。この点については、一般的な画像処理ワークフローを説明した上で、だれが作業しても間違いのない画像処理ワークフローにするには、何を明記すべきかを検討して、各自に記述していただいています。
【紙面設計図】
「どのように描けばいいのか」という質問が多いようです。
ラフデザイン~紙面確定に至るまでの段階で、各自が自分なりに考えた紙面設計があります。
仕上がりからどの程度の余白を作って素材を配置するのか、素材間の間隔はどの程度取るのか、原稿量の増減における変動幅などを思い出していただき、一緒に考えます。
紙面設計図には、素材の配置場所、寸法、それぞれの配置素材間の間隔、固定素材、素材変動要素と変動幅を明記して、寸法線を書きいれ、寸法を明記していきます。
固定素材の部分を明確にして、設計図内に網指定や処理内容などを明記する場合もあります。
また、これらを作成しながら、受験者のアイデアもいろいろと出てきます。
変動部を一紙面で書き出すのは見づらくなるので、「標準的な設計図と最大時・最小時の設計図を別にしたい」「横長アイキャッチの場合はその部分を切りだして、別の紙面設計図に描きたい」等々、各自が制作指示書の意味を理解しはじめると、社内運用時のマニュアル的な位置づけで利用する場合、見る人のことを考えると、「こうした方がいいのでは」というアイデアが出てくるようです。この頃になると、各自のアイデアが生かされた、非常に良いものに仕上がっていきます。
実は、先週以来、24時間体制での添削が続いておりました。毎回のことながら、皆さんの熱意と頑張りには感心しております。サポートする側でありながら、受験者の方々からパワーをいただいているような気持ちになります。
私自身は、仮眠2~3時間程度の日々が続いたおかげで、締切日に爆睡した後、翌朝からやや風邪気味です。緊張がほどけたせいかもしれません。私より、受験した方の方が、過密なスケジュールの中で制作をしていたことと思います。今週は、よりお身体をご自愛くださいね。
ずいぶん長い文章になってしまいましたが、最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。
これから受験する方の参考になれば、幸いです。では、またの機会に。

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