傾向と対策シリーズ第3弾。今回は、実技課題制作について、近年の出題傾向についてご紹介します。
まず、課題制作試験の概要について解説し、課題内容別の傾向についてご紹介します。
課題制作試験概要
筆記試験当日に、課題制作に必要な素材データが入っているCD-ROMが配布されます。このCD-ROMを持ち帰り、受験者のPC環境でデータを制作し、プリントアウトしたものを提出します。
提出期限は、第27期までは筆記試験後2週間以内でしたが、第28期から3週間以内になりました。制作するのは、「作品」と「制作指示書」です。
どのように作成すべきかについては、CD-ROM内の各フォルダに「課題制作の手引き」がPDFデータで入っていますので、これを熟読してから制作に取り掛かってください。
第28期の支給素材のポイント
CD-ROMには、2つのフォルダ(「A」フォルダ・「B」フォルダ)が入っています。
「A」フォルダには、携帯電話マニュアル(ページ物)制作用素材が、「B」フォルダには、旅行パンフレット(ペラ物)制作用素材が入っています。
A(ページ物:携帯電話マニュアル)課題
A課題は、ページ物の印刷物を想定して出題されます。
第28期に出題されたのは、架空の携帯電話メーカーから依頼されたユーザ向け携帯電話マニュアルの制作です。支給されるのは、250ページ程度のマニュアル用素材のうち、数ページ分のデータです。
【出題想定】
印刷仕様としては、仕上がりサイズがA5判縦長で、1色または2色の印刷物を想定しています。
細かい指定(製本様式・インデックス・柱の指示等)は、「課題制作の手引き」に明記されています。クライアント確認および印刷入稿用データとして、PDF/X-1a形式でのデータを想定しています。
【支給データ】
- 本文用テキストデータ
- 画像データ(miniSDメモリカード、アダプタ、合成用画像)
- 図版データ(miniSDメモリカードの取り付け・取り外し方、合成用図版、ピクトグラム:禁止・参考・注意マーク)
B(チラシ:旅行パンフレット)課題
B課題は、ペラ物の印刷物を想定して出題されます。第28期では、架空の旅行代理店から依頼されたヨーロッパ都市シリーズのパンフレット制作です。
支給されるのは、シリーズパンフレット用素材のうち、1都市分のデータです。
【出題想定】
印刷仕様としては、仕上がりサイズがレター判縦長で、4色の印刷物を想定しています。細かい指定(ロゴの扱い、写真利用点数、キャプション等)は、「課題制作の手引き」に明記されています。
クライアント確認および印刷入稿用データとして、PDF/X-1a形式でのデータを想定しています。
【支給データ】
- テキストデータ(タイトル周り、おすすめ文章、表組用文章、キャプション等)
- 画像データ(都市を象徴するカラー画像6点、モノクロ画像2点)
- 図版データ(ロゴ、市街地地図、国地図)
支給データのポイント
この課題制作試験で支給されるデータは、現状のDTP制作現場における問題提起も含め、敢えてスムーズに処理できないようなデータが含まれています。
このような問題データをどのように処理するのかを採点しているように思います。
本文用テキストデータ
「課題制作の手引き」内に、クライアントからの修正指示が赤字で入っています。この点は、採点項目にもなっているようですので、必ず修正してください。
その他にも、「句読点が統一されていない」「用語が統一されていない」など、修正を要するテキストが含まれていますので、これらを正しく処理します。
このような「課題制作の手引き」に明記されていない修正事項は、別途制作する「制作指示書」内に明記することをお薦めします。
画像データ
数点の画像データが支給されますが、それぞれのカラーモードや解像度は統一されていません。B課題の支給データでは、解像度単位が「dots/cm」になっていました。
支給された画像のファイル形式は、A課題ではTIFF形式が、B課題ではカラー画像はJPEG、モノクロ画像はTIFF形式でした。また、デジタルカメラデータを想定し、Exif情報なども含まれているデータも含まれます。
さらに、第28期では、敢えてキズのあるデータが支給されました。
このような画像データに対する処理では、Exif情報を確認したうえで、各種画像処理(キズ取り、色調補正、カラーモード変更、解像度変更を含むリサイズ、シャープネス処理等)をし、レイアウトソフトへの配置用に保存します。
このとき、カラーモード変更に際して使用したプロファイルや、どのような解像度にするのか、また、どのような保存形式にするのかを「制作指示書」内に明記してください。
図版データ
図版データは、Illustrator 10.0.3形式で保存したIllustratorファイルです。あえて、孤立点や不要なテキストオブジェクトを含むデータが支給されます。アピアランス指定が誤っているオブジェクトなどもあります。
また、B課題では、地図中に透明やぼかしを指定することを必須としています。
これらを正しく処理(PDF/X-1a変換のための分割・統合、埋め込み可能なフォントの使用等)して、レイアウト配置用データとして保存します。このような図版に対する処理についても、「制作指示書」に明記します。
制作指示書の役割
「制作指示書」とは、受験者が指示を与える立場に立って、これらの制作物を第三者が正しく処理するための方法や注意事項を明記するものです。
各課題共通のポイントとして、いずれもシリーズを想定しているということです。
そのため、提出した作品のみの指示だけではなく、今後、各クライアントから支給されるデータについての処理も、提出する「制作指示書」を見れば処理可能であるということも採点項目になります。
受験者向けの参考書として、課題制作について解説している書籍がありますので、参考にしてください。
長くなってしまいましたが、最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
次回は、受験生の方からの「よくある質問」についてご紹介します。

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