近年、入稿される画像データの多くは、デジタルカメラで撮影したデータになってきています。報道や即効性を求められる広告などの分野では、プロカメラマンの利用するカメラが従来のフィルムカメラからデジタルカメラへと移行してきています。このような状況から、画質を判断する上でも、フィルムカメラとデジタルカメラの違いを理解しておくべきなのでしょう。
デジタルカメラ関連の問題は、毎試験期に、5問前後出題されています。その中でもこの問題は、従来からあった「デジタルカメラの特性」というタイトルだった問題(22期模試出題)をリニューアルしたような内容となっています。24期模擬試験で新たに出題されました。
【誰のための問題?】
印刷会社側の入稿チェック担当者や製版担当者が、理解しておくとよい内容です。また、カメラマンやデザイナーの基礎知識と考えてもよいと思います。
個人的にもデジタルカメラを利用する方々は多いので、自分でデジタルカメラを保有している方も、これらを理解し撮影時の設定などに興味を持てればよいですね。
【出題の意図?】
やはり、近年の入稿データの状況を鑑みた上での出題だと考えられます。
従来のフィルムカメラによる撮影データならば、気にしないでも良かった偽色のことやデジタルカメラならではの色調補正機能(絵作り)など、画像処理担当者の方はぜひ知っておいていただきたい知識と言えますね。
デジタルカメラとフィルムカメラ(銀塩カメラ)の構造の違い
デジタルカメラの場合、フィルムカメラのフィルムに該当する部分に、受光素子という明暗を電気信号に変える半導体部品が入っています。最近のデジタルカメラの場合は、C-MOSと呼ばれる部品が多く使われています。当時は、プロ用のデジタルカメラでは、フラットベットスキャナなどで利用されていたCCDという部品が使われていました。
カラーフィルタで色情報を取得
受光素子で電気信号に変える際、明暗の情報しか識別できないため、カラーフィルタという色を取得するためのフィルタを受光素子の前面に付けています。これは、1ショットタイプの場合には、RGBGかCMYGの4つ1組のカラーフィルタで1画素分のカラー情報を取得しています。プロ用などでは、3ショットタイプといってRGBカラーフィルタを切り替えて色情報を取得するようなものもありました。
受光素子の性質で偽色が発生
受光素子は、CCDでもC-MOSでも縦横升目状の構造になっていて、この升目が何ピクセル分あるかで●●万画素としています。このため、被写体側に規則正しい方向性がある場合には、双方の干渉が発生して、被写体に本来なかった色がデータとして記録されてしまいます。これは、部品の構造上、解消することはできません(ゼロにすることは不可)。
これを目立たなくするために、受光素子の前面に、「ローパスフィルタ」というものを取り付けています。これは、明暗変化の激しいものをゆるやかにする役割で取り付けているのですが、いわゆるぼかしを入れるようなしくみと考えるとよいでしょう。印刷では、モアレ除去をイメージするとわかりやすいでしょう。
被写界深度と焦点距離
被写界深度とは、ピントの合う範囲を言います。また、焦点距離とは、レンズを中心とした被写体と受光素子(またはフィルム)間の距離を言います。35mmフィルムと受光素子のサイズを比較すると、受光素子の方が焦点距離は短くなります。これは、受光素子自体の大きさが最大でも8mm程度という規格だからです。また、被写界深度は、深くなっているのもデジタルカメラの特長です。これは、ピントの合う範囲が深いということですので、フィルムカメラに比べて、フラットな感じの仕上がりになってしまいます。

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